顧問弁護士としての企業法務での役割とは
顧問弁護士とは、企業から法律問題に関する相談を継続的に受け、紛争解決や紛争予防のための助言を行う弁護士のことを指します。
では、顧問弁護士の具体的な職務内容はどのようなものなのでしょうか。
また、企業が弁護士と顧問契約を締結するメリットとしてはどのようなものが挙げられるのか、以下解説していきます。
顧問弁護士の仕事内容について
顧問弁護士の主な仕事内容としては、①法的紛争への対応、②契約書の作成・審査、③事業内容の法的リスクの確認、④企業における就業規則の作成・審査といったものが挙げられます。
①法的紛争への対応
企業が事業活動を営むにあたり直面しうる法的紛争としては、賃金等の労働条件をめぐる労働者とのトラブル、契約内容や契約の不履行をめぐる取引先とのトラブルが考えられます。
仮に、このような法的トラブルが発生した場合、顧問弁護士は企業の代理人として、相手方と交渉や訴訟対応を行います。
②契約書の作成審査
企業が契約を締結する場合、契約内容を明確にし、後の紛争を防止する観点から、契約書が作成されるのが一般的です。
顧問弁護士は、法令への抵触を避け、文言解釈をめぐる紛争を防止する観点から契約書の作成や審査を行います。
③事業内容の法的リスクの確認
企業が新規事業を行う場合、当該事業が各種法令に違反していないか、また違反する可能性が存在しないかについて検討を行うことは非常に重要となります。
顧問弁護士は、企業が行おうとしている新規事業の内容が独占禁止法、下請法、個人情報保護法などの各種規定に抵触していないか検討・助言を行います。
④就業規則の作成・改訂にあたっての助言
就業規則とは、労働者の賃金や労働時間などの労働条件に関すること、職場内の規律などについて定めた職場における規則集のことをいいます。
顧問弁護士は、就業規則の作成や改訂にあたり、当該規則の内容が労働基準法等の各種規定に抵触していないか確認を行います。
弁護士と顧問契約を締結するメリット
企業が弁護士と顧問契約を締結するメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
①気軽に相談ができる
企業において、法的トラブルが発生した場合、通常であれば弁護士を探した上で相談の予約を取る必要があります。
そして、企業法務に精通した弁護士は対応する相談数も多く、すぐに相談の予約を取ることができるとも限りません。
他方で、弁護士と顧問契約を締結している場合、法的紛争や法的疑問が生じた場合にはすぐに相談することが可能です。
また、実際に紛争が発生する前に、日頃から法的リスクの有無等について相談を行うことにより、紛争の予防をすることも期待できます。
②コストの削減
弁護士に相談をする場合、相談の都度相談料が発生するのが通常です。
しかし、弁護士と顧問契約を締結した場合、あらかじめ顧問契約において定められた顧問料を支払えば、相談の際に相談料は発生しませんので、単発で相談をするよりも金銭的コストを削減できる可能性があります。
また、弁護士に対し、訴訟等の対応を依頼する場合、着手金および報酬金を支払うのが通常ですが、顧問契約を締結している弁護士に依頼をした場合、着手金や報酬金を割り引いてくれるケースも多いですので、訴訟対応等にかかる金銭的コストの削減にもつながります。
③企業の事業内容に適した有利な解決を期待できる
企業によってその事業内容は異なるため、どのような解決策がベストであるかについては、個別具体的な判断が必要となります。
もっとも、顧問弁護士は会社と継続的な関係を構築しており、当該会社の事業内容や内情を理解しているため、会社にとってベストな解決策を提案することが可能となります。
弁護士との顧問契約締結をご検討の方は中山法律事務所にご相談ください
中山法律事務所は、顧問契約についてのご相談を承っております。
ご検討中の場合、ぜひ当事務所にご相談いただければと存じます。